【ローカルグルメ特集】40年以上も市民のお腹を満たしてきた、ファストフード感覚おにぎり!おにぎりのありんこ

日本人のソウルフード、おにぎり。手軽につくって食べられることもあり、ふだんからなじみの深い食べものでもあります。
札幌で40年以上の歴史を持つおにぎり専門店「おにぎりのありんこ」は、ランチタイムなどには行列ができるほどの人気店!今回は長く市民のお腹を満たしてきたありんこの魅力を、あたたかな歴史とともにお届けします。

ふんわりとした独自の握り方は、
創業から受け継がれている技!

ありんこのおにぎりは、注文を受けてからその場で型を使わず、一つひとつ丁寧に手で握ります。ひとくち食べると、そのふわっとした食感に、ちょっとびっくりするかもしれません。

このふんわりとした握り方こそ、ありんこのおにぎりのおいしさの秘密。空気を含むようなやさしい握り方は、ありんこの創業者の一人である、南部社長のお義母さまの握り方。この握り方をしっかり覚えるため、スタッフは約3カ月研修を積み、合格しなければ店頭で握ることはできません。

創業者の一人だった南部社長の奥さまは、こんな言葉をのこしています。「手で握ることで、気持ちがダイレクトに伝わるのがおにぎり」。大きめサイズのおにぎりの絶妙な握り加減や塩加減、どこから食べてもすぐに具材にたどり着ける幸福感。そこには、鍛えた技術と握る人の気持ちが込められています。

ロングセラーの「チーズかつお」は、
あの食べものがヒントだった!

ありんこのおにぎりで、一番人気は「チーズかつお」。これを開発したのは社長の奥さまです。創業時から「洋風のおにぎり」を考えていた奥さまが、ある日、目にしたのが一枚の宅配ピザのチラシ。ピザと言えば、チーズ。このとき、おにぎりにチーズを入れるというアイデアが生まれます。しかし、ご飯にチーズだけだと味が広がりすぎると感じ、試行錯誤を重ね、しょうゆ漬けのかつおと合わせることに。そのおいしさは口コミでじわじわと広がり、いまに至ります。

もう一つ、メニューの中で気になるのが「すじこ」レギュラーサイズ750円。「すじこが苦手な人は生臭さが苦手ということが多いので、手で血綿をはずして粒状にして、一晩寝かせて脂を落とします。それで生臭さがが消えるんですね。素材はもちろん、北海道産です」と話す南部社長。ちなみに期間や店舗の限定商品は「自分の食べたいものなんだよね」とのこと。

おいしく食べてもらうため素材も手間も妥協しないのが、ありんこのおにぎり。いろいろ試して、お気に入りを見つけてみてください。

熱々がうれしい具沢山のとん汁は、
雪まつり限定から定番商品に。

ポテトサラダにザンギ、たまご焼きなど、豊富なサイドメニューの中でも人気が高いとん汁。実はこれ、お義母さまが雪まつり期間のサービスにとつくったのが誕生のきっかけでした。それが「おいしい!」と評判を呼び、雪まつり期間限定で2シーズンほど提供した後、10月から5月の限定商品となりましたが、「室内がエアコンで寒いから夏も出して!」とお客さまからリクエストされて定番の商品となりました。

北海道産の野菜を使ったとん汁は、毎朝お店で手づくり。
豚肉の脂とおいしさをたっぷり吸った野菜、豚肉と野菜の旨みが余すことなく溶け出した汁。
おにぎりと一緒に、一度は頼んでほしい一品です。

スタートは3坪の広さから。
働く姿にちなんだお店の名前。

ありんこの創業は1980年。南部社長、奥さま、お義母さまの3人で始めたお店でした。当初のお店は3坪の狭いスペースで、そこを忙しく動き回る姿がありんこのようだったというのが店名の由来です。ブランドの土台をしっかりつくり上げた奥さまと、おにぎりをつくることに妥協しなかったお義母さま。奥さまは30年ほど前に若くして他界されてしまいましたが、奥さま、お義母さま、スタッフ、そして訪れるお客さまのためにこのお店を守り続けたいと南部社長は語ります。「じゃないと、奥さんに怒られちゃうからね」。

ありんこは現在、市内に6店舗(sitatte店と研修センターはテイクアウトのみ)。うち4店舗が大通~札幌駅エリアにあり、観光中に利用しやすい立地です。スタッフ間で受け継がれてきた愛情たっぷりのおにぎりは、イートインもテイクアウトも可。旅のご飯として、移動のJRの中や札幌で見つけたお気に入りの景色の中で、ゆっくり味わってみるのはいかがでしょうか?

おにぎりのありんこ店舗一覧

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