「美食のまち、札幌」は北海道の旬の食材が集まる場所 poroco編集長 福崎里美

鮮度が良くて安全な地元食材を使い、職人の技で持ち味を引き出す、食通をもうならせる「美食」。札幌では今、「美食のまち」とテーマを掲げた食の発信が始まっている。あらためて札幌の食の魅力とは?札幌の女性が飲食店を探す際に欠かせない札幌地元情報誌「poroco」編集長の福崎里美さんに伺った。


北海道の旬の食材と、腕ききの料理人が集まる札幌

「poroco編集部が『美食店』と発信する際は、料理、空間、サービスの3つの観点を大切にしています。おいしさは大前提ですが、地元の出版社として評判を踏まえて、心地良い場所かどうかを目利きできる雑誌でありたいと考えています。取材しながら感じるのは、北海道の食材を主役にした“札幌ならではの料理”に価値をおく店が増えたこと。ここ数年は定番グルメに加え、海外や国内で修業した料理人の技術で北海道の旬を調理する「北海道フレンチ」や「北海道イタリアン」といった、“訪れた時季の食材や季節感まで、大地のすべてを味わう”レストランが誕生しています。札幌は農業・漁業が盛んな北海道にあり、店や料理人が集まる都市であるため、飲食店同士の切磋琢磨により食のレベルが上がっていると感じます」。

札幌は食材の生産地と近く、生産者と料理人の交流が生まれる街

四方を海に囲まれ、内陸部に農村地帯が広がる北海道は食材の宝庫。道内最大の都市である札幌は、各地の食が集まる恵まれた環境にある。「寒暖の差がある北海道の四季は、変化がはっきりしています。その分食材の旬は短いけれど、味わいの濃さは感動的!5〜6月に旬を迎えてみずみずしくなるアスパラガスは、その代表格といえるでしょう。札幌市民は、季節を逃すと味わえないおいしさを知っているから貪欲に北海道の旬を追いかけます。産地が近いので質の良い食材が使え、さらに東京に比べてメニューの価格が安いことも北海道の食の魅力。地元の生産者と交流を持つ料理人も多く、理想のひと皿を求めて食材づくりから協力しあうケースも見られます。決まった料理のために食材を選ぶのではなく、季節の食材に着想を得た料理を提供する店が多いことも、札幌の食が楽しい理由のひとつではないでしょうか」。

食のイベントは、北海道の旬の食材を味わう絶好の機会

「ここ数年、道産のワインや日本酒、チーズの質が格段に上がり、『北海道産食材のマリアージュ』が自然な形で楽しめるようになりました。『さっぽろライラックまつり ワインガーデン』や『さっぽろオータムフェスト』、『さっぽろタパス』といった食のイベントは、街の風物詩として定着。店の垣根を超えて料理人同士が情報交換したり、イベントを行ったりすることも増えています。単に良い食材をおいしく料理するだけでなく、質の良い食材を作ってくれる生産者を紹介したり、マルシェを開くといった催しができるのも、産地に近い都市ならではの楽しみです」

雑誌を通して『さっぽろ=美食のまち』を情報発信することは、市民が街の魅力を再認識するきっかけになる。「まずは市民ひとりひとりが食のPR担当になって、札幌の食の魅力を伝えられるようになることが大切。いずれ、もっと多くの他県や海外の方が『食』を目当てに札幌を訪れるようになってほしいですね」と福崎さん。次回の札幌旅行は、ぜひ食材の旬暦を見ながら検討してほしい。

▼旬暦カレンダー(旬暦は生産地によって異なる場合があります。)

さっぽろ美食案内

札幌のフレンチ、イタリアン、中華、和食の美食店を紹介した小冊子「さっぽろ美食案内」では、お店の紹介のほか、シェフや生産者のインタビューも掲載。
新千歳空港ラウンジ、羽田空港AIR DO搭乗口、札幌市内の約20のホテルや掲載店舗などで配布しています。

福崎里美(ふくさき さとみ)

月刊誌「poroco」編集長

旭川市出身。小樽商科大学にて会計学を学び、金融機関や、他の情報誌出版社を経て株式会社コスモメディア入社。“アクティブにさっぽろライフを楽しむための情報誌”「poroco」の媒体に営業局長として携わったのち、2014年4月より編集長就任。poroco臨時増刊「札幌の美食店」も手がける。「さっぽろ美食ツーリズム推進準備委員会」メンバー。 月刊誌「poroco」のほか、臨時増刊「札幌の美食店」を発行。旅行中のお店探しの参考に、まずは書店やコンビニで手に入れよう。 http://www.poroco.co.jp/