狸小路

開拓使時代から続く、北海道最古の商店街のひとつ

※2019年11月21日更新
札幌の中心部を、東西約900メートルに渡って約200店が軒を連ねる「狸小路商店街」。市民に“狸小路”の愛称で親しまれるこちらは、西1丁目から西7丁目までを全天候型のアーケードで繋がれており、雨の日も雪の日も天気を気にせず利用することができます。また、商店街を抜けた8丁目も“狸小路”と呼ばれることがあり、古いビルや古民家をリノベーションした粋な店が立ち並び魅力に溢れています。観光客や旅行者にもおすすめしたい、札幌代表する商店街です。


商家が並ぶ2丁目界隈、ショップが揃う4丁目以降

明治6年から現存する「狸小路商店街」には、古くからこの地で商いを続ける商家や工芸店、土産物屋などが点在しています。中でも1丁目~3丁目には、歴史の長い店舗が集まっています。それもそのはず。同商店街の始まりは、明治初期に西2丁目・西3丁目の両側に軒を並べて商売していたことに由来します。当時に思いを馳せながら、じっくり歩いてみるのも良いでしょう。

地下鉄大通駅のある「さっぽろ地下街」から地上へ、また、路面電車沿いにも位置する4丁目からはトレンドを押さえたショップなどが集まっています。ファストフードやカラオケボックス、居酒屋、ご当地グルメなどバラエティー豊かな店が軒を連ね賑わうアーケード内。しかしながら、市民の台所としての役割も変わらず兼ね備えており、野菜や果物を扱うスーパーなどもあります。写真左下は、「狸小路商店街」のマスコット・だっこポン。4丁目に大きなオブジェがあるほか、信号前の停止看板など至るところに採用されているので探してみるのも楽しいでしょう。大型イベント時や不定期で、着ぐるみが登場することも。

狸小路を守る「本陣狸大明神社」

狸小路100周年を記念して建立された「本陣狸大明神社」は、当初4丁目にありましたが、現在は5丁目へと移されました。ここの狸像には商売繁盛や安産祈願など、八つの徳(ハ徳)があると言われており、多くの参拝者で賑わいを見せています。正月の2日に行われる「初狸祭」や、8月の第1木曜日から始まる「狸ハ徳例大祭」のメイン舞台もここです。

旅の記念におみくじはいかが? 神社にはみくじ箱が設置されており、奉納のうえ1つ引くことができます。また、すぐ横におみくじを結ぶ棒もあります。

北海道最古のビヤホール

かつての狸小路の礎ができた後、大正3年に誕生した「狸小路ライオン(オープン当初は札幌狸小路ビヤホール)」。昭和30年頃に一度改装を行っていますが、100年以上の歴史を持つ北海道最古のビヤホールとされ、ディープな観光スポットとして人気です。2丁目の店先(2階部分)では、ビアマグを手に持った人形“ビール男爵”が出迎えてくれます。

店内ではサッポロビール直送、できたて新鮮な生ビールを味わうことが可能。また、札幌市民に「タレが決め手」と評判のジンギスカンをはじめ、店舗限定&料理長特製のビーフシチューなど、こだわりの料理も楽しめます。ランチメニューもあるので、旅の途中に気軽に立ち寄ってみるのもおすすめです。

違った表情を見せる、夜の狸小路

飲食店が多数立ち並ぶ「狸小路商店街」ですが、6丁目・7丁目界隈は地元っ子が通う粋な店がたくさんあります。ジンギスカンをはじめとした地元グルメが味わえる飲食店や居酒屋のほか、ちょい飲みの店が集まる6丁目の途中に突如現れる中小路「狸小路市場」、若手オーナーや料理人が腕を振るう小さな店がビル内に多数入る「たぬきスクエア」も6丁目に。7丁目にはシンガポールビールが味わえる店など、世界の専門店が顔をのぞかせます。

地元の新鮮魚介とともに地酒を楽しむのもオツ。狸小路には人気店が多いため、旅行者はあらかじめ予約をしておくのがおすすめです。

じっくり散策するなら、脇道や8丁目へ

本来「狸小路商店街」は1丁目から7丁目とされ、「狸小路8丁目商店街」という別の商店街。しかしながら、市民の間でも総じて“狸小路”とまとめられることが多いです。8丁目には古いビルや古民家をリノベーションしたカフェやセレクトショップなどがあり、オシャレさんの間で人気のエリア。ちょっとローカルな散策を楽しむなら、こちらに足を運んでみるのも良いでしょう。

狸小路

住所
札幌市中央区南2・3条西1丁目~7丁目
営業時間
店舗により異なる
電話
011-241-5125(札幌狸小路商店街振興組合)
公式サイト
https://tanukikoji.or.jp/